2027年1月24日、建築積算士の二次試験を受けます。実技が4時間30分、短文記述が1時間。持ち込めるのは電卓1台だけで、本は開けません。
二次の合格率は、ここ数年おおむね 6割前後 です。試験案内を読み込んでいくと、この6割の裏には、いくつかの条件が重なっていることが見えてきます。受けると決めてから調べたことを、受ける側の目線で整理しておきます。
きっかけは、自分の拾い方を一度確かめたくなったことです。高専を出るまでのあいだ、現場代理人と並行して積算と設計を受け持っていました。数量の拾い方は、その実務の中で覚えたものです。20年たったいま、それが基準から見てどこまで合っているのか。その答え合わせを、試験の場でしてみることにしました。その先には、上位の建築コスト管理士も見ています。
そもそも、どんな資格か
建築積算士は、公益社団法人日本建築積算協会が認定する民間資格です。協会は、建築生産の過程で工事費を算定し、それに付帯する業務を担う専門家と位置づけています。
試験案内を開くと、まず範囲の広さが目に入ります。図面からの数量拾いだけでなく、発注方式や契約方式、工事費の構成、市場価格の調べ方、LCC・VE、木造の概算、改修・解体、BIMの概要まで並んでいます。拾える人というより、工事費がどう組み上がっているかを説明できる人。そういう専門家像が描かれています。
一次試験の免除について
一次試験は、満17歳以上なら学生も社会人も受けられます。実務経験も学歴も問いません。2026年度の一次は、10月25日に実施されました。
二次を受けられるのは、その年の一次に受かった人と、一次を免除される人だけです。免除の対象は次の5つです。
| 区分 | 一次が免除される人 |
|---|---|
| a | 協会認定の建築コスト管理士・建築積算士補 |
| b | 一級建築士・二級建築士・木造建築士 |
| c | 一級・二級建築施工管理技士 |
| d | 協会が実施する積算学校の卒業生 |
| e | 過去10年間の一次試験合格者 |
この表のひとたちは、いまの時期からでも、今年度の二次に申し込めます。申込の締切は12月4日です。
当日、何をやるのか
| 一次試験 | 二次試験(私が受ける方) | |
|---|---|---|
| 日程(2026年度) | 2026年10月25日 | 2027年1月24日 |
| 時間 | 3時間 | 実技4時間30分+短文記述1時間 |
| 形式 | 4肢択一・50問 | 図面から数量を計測・計算し、内訳明細を作る/200字以内の記述2問 |
| 範囲 | ガイドブック全章 | 実技は躯体・鉄骨・仕上・内訳明細の4分野 |
| 受験料 | 27,500円 | 27,500円(その年の一次合格者は不要) |
実技は、躯体(コンクリート・型枠・鉄筋)、鉄骨、仕上、内訳明細作成と工事費算出の4分野。図面を渡されて、数量を拾い、内訳にまとめ、工事費を出すところまでをやります。
合格率6割の中身
二次の結果は、協会が毎年公表しています。
| 年度 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | 523人 | 330人 | 63.1% |
| 2022年度 | 778人 | 452人 | 58.1% |
| 2024年度 | 968人 | 576人 | 59.5% |
合格率は、公表された人数から計算したもので、合格点は公表されていません。
数字だけなら、10人受けて6人受かる試験です。そのうえで、受ける側として押さえておきたい点が3つあります。
一つ目は、受験者がすでに一定の力を持つ人たちであること。二次の会場にいるのは、一次に受かった人か、建築士や施工管理技士をすでに持っている人です。ふるいを通った集団の中での6割で、受験することになります。

二つ目は、すべての問題で得点が必要なこと。試験案内には、実技4問と短文記述のどれか一つでも得点がなければ不合格、と書かれています。4分野と記述を、どれもまんべんなく仕上げておく必要があります。

三つ目は、私がいちばん意識しているところで、4時間半の実技を、やり切ることです。実務では、迷ったときに積算基準を開いて確かめます。試験では、その基準を頭に入れておくことが前提になります。
試されるのは、基準どおりに、時間内に、全分野を拾い切る力です。
受験者の数にも動きがあり、2020年度の523人から2024年度は968人と、4年で2倍近くに増えています。
手癖を、基準に戻す
実務では、拾う順番やまるめ方に、人それぞれのやり方があります。私にも、長く続けてきた中で身についた手癖があります。今回の準備では、知識を増やすことと同じくらい、この手癖を基準の拾い方にそろえていくことを大事にしています。
数量積算基準は、誰が拾っても同じ数量になるように作られた基準です。このブログの最初の記事で、積算の正しさは計算式ではなく、誰がやっても同じ答えになるかで決まると書きました(積算の正しさは、計算式ではなく「誰がやっても同じ答えになるか」で決まる)。この試験は、その「同じ答え」を自分の手で、時間内に出せるようにするための場だと考えています。
いま、やっていること
ガイドブックを章ごとに読み、要点と「どのページに何が載っているか」の索引を自分用に作りながら進めています。本番では本を開けないので、この索引を、少しずつ頭の中に移していきます。1月24日まで、あと3か月です。ここで少しずつ記憶の記録を繰り返していこうと思います。
参照:公益社団法人日本建築積算協会「2026年度『建築積算士』試験案内」/同「2020年度・2022年度・2024年度 建築積算士二次試験実施結果」(2021年3月1日・2023年3月1日・2025年3月3日)/『新☆建築積算士ガイドブック』(2026年4月1日改訂2版)(2026年10月28日参照)